ビール大手5社が12日発表した1~6月のビール系飲料の課税済み出荷量は2億753万ケース(1ケースは大瓶20本換算)と前年同期比4.5%減と2年ぶりにマイナスとなった。現行統計が始まった1992年以降で上半期としては最低だった2008年をさらに下回った。メーカー別のシェアではアサヒビールが37.1%を確保、昨年首位だったキリンビールを0.7ポイント抑えて上半期としては2年ぶりにトップに返り咲いた。
酒類別ではビールが5.4%、発泡酒が21.3%それぞれ減少。消費者の節約志向の高まりを背景に、割安な第三のビールだけが9.7%増えた。景気低迷を受けた消費者の買い控えや若者のビール離れなどの影響が直撃している。
唯一伸びた第三はビール系飲料市場における構成比が33.4%と、2003年に最初の商品が発売されて以来、上半期として初めて3割を超えた。一方、ビールの構成比は48.6%と過去最低で、上半期として初めて5割を割り込んだ。
メーカー別ではアサヒは「クリアアサヒ」など第三の出荷量が25.5%増と好調で首位を奪う原動力になった。主力のビール「スーパードライ」は前年同期の実績を下回ったが、若者を狙った新たな販売促進策などで下げ止まりの兆候も出始めた。キリンは第三で最も売れている「のどごし生」の販売量が2.9%伸びたが、「ラガー」などが振るわなかった。
3位は高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」が伸びたサントリー酒類で13.4%、4位は12.3%のサッポロビールだった。上位4社ではサントリーだけが前年同期の実績を上回り、市場が縮小するなか一人勝ちになった。
最需要期の夏場に入り、ビール系飲料商戦は過熱している。ただ、ウイスキーを炭酸水で割ったハイボールが若者を中心にブームになるなど、引き続き消費者離れに歯止めがかからない。流通大手のイオンが第三で6月下旬に350ミリリットル入り88円と、格安の韓国産プライベートブランド(自主企画=PB)商品を投入するなど価格競争もさらに激しくなりそうだ。
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